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ニコチン依存症や中毒による健康への影響と禁断症状について
皆さんは、ニコチンについてどこまでご存知でしょうか。
「タバコに含まれる有害物質」という認識はあるけれど、一体どのように有害なのかは詳しくは知らないという方も多いかと思います。
ニコチン=タバコ、タバコ=ニコチンといっても過言ではない認知度のニコチン。
ニコチンの事を知ることで、タバコについても、なかなか成功できない禁煙の事もわかってくると思います!そもそもニコチンとは?
ニコチンは、タール等と同様、タバコに含まれる有害物質です。
ニコチンには、タールのように発がん性物質は含まれていませんが、神経系に関する毒性が非常に強い猛毒と云われています。
ニコチンの毒性は、青酸や害虫駆除に使われる農薬に匹敵するほどともいわれています。
かつては、ゴキブリやねずみ駆除のための薬として使われていたこともあります。ニコチンを摂取し続けると、中枢神経興奮や、抑制作用、血管収縮、心拍数増加などを招く作用があると、云われています。
心拍数が多くなったり、血圧が高くなると、動脈硬化のリスクが高まります。更に、ニコチンには、「ニコチン中毒」と言う言葉があるように、依存性がとても高く、禁煙が難しい大きな要因は、このニコチンによるものと言って良いでしょう。
1本のタバコにニコチンはどのくらい含まれている?
タバコに含まれるニコチン量は、パッケージにも記載されていますが、実はこれは、タバコ1本あたりの「煙」に含まれるニコチン量なんです。
煙に含まれるニコチン量と、タバコ本体に含まれるニコチン量は異なってくるのですが、煙に含まれるニコチン量は記載されていても、タバコ本体に含まれるニコチン量はあまり公にはされていないのが、現実のようです。
では、パッケージに記載されている「煙」に含まれるニコチン量を見ていくと、1本当たり0.1~2.3mg程度です。
因みに、「軽い」と云われるタバコは、タバコのフィルターの違いであり、ニコチン含有量はさほど変わらないそうです。
ニコチンの身体への影響は?
- 心臓・血管への影響
- 生理不順・肌荒れへの影響
- 妊娠中の影響
- 動脈硬化から重大病への影響
- 腎臓病への影響
- 副流煙からの影響
ニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮することにより、血行不良が起き、更に末梢血管への血流が減少していくこと、血圧が高くなります。
血圧が高くなると、血管はもちろん、心臓への負担も大きくなります。
また、血行不良から、体温・新陳代謝の低下が起こります。
喫煙者の方には冷え性が多いのも、ニコチンによる作用が考えられます。ニコチン摂取を続けると、女性ホルモンの分泌を低下してきます。
過度なニコチン摂取は、生理不順だけでなく、月経が始まる1~2週間ぐらい前からイライラ、腹痛、眠気、頭痛などの様々な症状を引き起こすPMS(月経前症候群)等を引き起こす事もあります。
生理不順や女性ホルモン分泌の低下が悪化すれば、不妊の原因にも繋がります。また、血行や新陳代謝が悪くなることで、身体に栄養や酸素が十分に運ばれなくなり、肌のターンオーバーも崩れてきます。
タバコには、ニコチンの他にも血中の酸素を酸欠状態にさせる一酸化炭素も含まれているので、お肌の修復機能も低下してきます。ニコチンの多量摂取は、女性には、辛いリスクを負うことになります。
妊娠中の喫煙がいけないのは、もはや人としての常識かもしれません。
では、具体的にどのような悪影響が考えられるのでしょうか。
ニコチンは、水溶性の為、お母さんが吸ったタバコの中のニコチンが、血液を通り、お腹の赤ちゃんにまで届けられてしまいます。
前述で述べてきた、劇薬や、農薬並みの猛毒が、まだ形成途中の何の免疫もない赤ちゃんを襲うのです。また、出産後もお母さんがニコチンを摂取すると、母乳を介して赤ちゃんがニコチンを摂取してしまいます。
ニコチン量の多い母乳を与えらた赤ちゃんは、成長の遅れなどが起こると云われています。動脈硬化とは、本来ゴムのような弾力のある健康な血管が、硬くもろくなることです。
ニコチンは、血液中のコレステロールを酸化させ、善玉コレステロールを悪玉コレステロールに変化させます。
悪玉コレステロールは、血管の壁に入り込み、蓄積すると、血管の壁がどんどん分厚くなり、弾力性がなくなります。
次第にコブが出来、血管の内側が狭くなり、血液が流れにくくなってしまいます。
同時にニコチンが、副腎を刺激し、血液凝固を起こしやすくさせるので、喫煙者の血管は血液が通りにくくなり、酸素や栄養が細胞に行き届かなくなります。
動脈硬化が起こると、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳卒中(脳梗塞、脳出血)などの重大病へのリスクが一気に高まります。因みに、喫煙者は、タバコを吸わない人に比べ、動脈硬化へのリスクが約5倍以上高いという研究もあります。
体内にニコチンが入ると、毒を無毒化して体外に出そうという働きが起こります。その働きをするのが腎臓です。
ニコチンは体内に入ると瞬時に全身に回ってしまうため、腎臓は云わば全速力でフル活動を始めます。(これは、腎臓の負担もハンパなさそうですよね…)
こんなに腎臓が頑張って無毒化活動に励んでも、毒性の低い「コチニン」とい物質に変えられるのは、入ってきたニコチンの8割程度と云われています。約2割のニコチンは体内に残ってしまうのです。禁煙を開始しても、体内からニコチンが抜けるのに時間がかかるのは、これが原因です。何気ない1本の喫煙が、腎臓には多大な負担がかかり、さらに酷使していけば、腎臓病の原因にもなります。
腎臓病を悪化させると、腎不全にもつながります。たばこの先から出る煙、すなわち「副流煙」には自分が吸い込む煙の2.8倍のニコチンが含まれていると云われます。
ということは、単純に考えて自分が吸っている際に周りにいる、家族や友人などに、これまでにあげたニコチンへの影響が2.8倍もになって襲い掛かっていることになります。
ニコチン中毒と依存症とは?
ニコチンは、体内に入ると、短い時間で吸収されます。
初めてタバコを吸った時や、禁煙していて久しぶりにタバコを吸ったとき、目まいのようなクラクラした感覚や、気分が悪くなったり、鼓動が早くなり、冷や汗をかいたりしたことはないでしょうか。
これはニコチンによる急性中毒症状です。体内にニコチンが切れると、イライラ、集中力低下、無気力感を感じ、ニコチンを体内に入れたいという欲求が激しくなり、ニコチン中毒に陥ります。
口から体内に入ったニコチンは、口から下の臓器だけでなく、すぐに脳にまで到達します。
脳内にある「快い」「気持ち良い」「楽しい」といった快楽を感じる部分を刺激します。
タバコを吸い、ニコチンによる快楽を覚えた脳は、その快楽を求めてまたタバコが吸いたくなります。
その、タバコによるニコチンがもたらす快楽が得られないと、イライラしたり、集中力が続かなくなったりと、次第に二コチンへの依存が始まります。ニコチンの離脱時の禁断症状について
喫煙を続けることで、体内にニコチンがなくなったときに「離脱症状」と呼ばれる、禁断症状が起こります。
離脱症状と期間・対策には、個人差もありますが、以下のようなことがあげられます。- 頭痛・めまい 禁煙後1~2日 対策:姿勢を変えたりなどしてゆっくりと改善されます。
- タバコが欲しくなる 禁煙後2~3日(ピーク) 対策:2、3日がピーク3週間ほどでほとんどなくなります。
- 眠気・不眠 禁煙から7日以内 対策:眠気を感じなくなるまで思い切って眠るってみましょう。あまりにも症状がひどいようなら専門医にご相談ください。
- 便秘 禁煙後1〜3週間 対策:水を多めに飲む。繊維質の多い食事を摂る。
- イライラ感 禁煙後1〜2週間 対策:深呼吸などをして、タバコではないリラックスを考えましょう
- 性格の変化 禁煙後2〜3週間 対策:怒りっぽくなるので注意しましょう。
- 集中力の低下 禁煙後2〜3週間 対策:3週間はあまり無理をしない。
- 疲れやすい 禁煙後2〜3週間 対策:体を動かして睡眠を十分にとる。
- 食欲の増加 禁煙後数週間 対策:先に野菜類を多めに摂り、食べ過ぎを防ぐ。
ニコチンを腎臓が毒性の低い物質に換え、体外に出し切ると、心身ともにだいぶ楽になるので、数週間頑張りましょう。
タバコとニコチンのまとめ
- ニコチンは神経系に影響を及ぼし、中毒性も高い物質。
- タバコ1本当たり0.1~2.3mg程度のニコチンが含まれる。
- ニコチンは体内に入ると、血管、腎臓、脳への影響が大きい。
- ニコチンには、依存性があるため、禁煙を始めると、ニコチンへの欲求から、強い中毒症状が現れる。
- 禁煙を始めると、体内からニコチンが抜ける数週間、「離脱症状」と呼ばれる、禁断症状が起こる。
タバコには、ニコチンの他にも、「タール」「一酸化炭素」「ベンゼン」などの有害物質が含まれます。
なかでもニコチンは、タバコがやめられない依存性を強く持つ物質です。
ひと時の快楽の為の喫煙が、自分だけでなく、大切なひとの健康も蝕んでいっています。
一言に禁煙といっても、なかなか難しいかと思いますが、何故禁煙が難しいのか、ニコチン依存の仕組みを理解いただければ、禁煙への向き合い方も変わるかもしれません。